どーも店長です✨
たまにある特殊なお仕事『音響』
町の便利屋さんファミリー日野店は、実は副業で『東京アウトドアサウンド』というイベント会社も行っています。基本的には音響機器のレンタルがメインなのですが、時に設営と運営に、時にはイベントのアドバイザーや事務局として機能することもあります。
さて、今回の音響のお仕事は、もともと大会をスタートする時にアドバイスを求められたりすることもあり、(私は10年ほど副業でイベントのオーガナイザーを行っていました)ある意味主催者さんとは友人関係にあたるので、半分仕事で半分は友人たちに会いにいくという、半ば同窓会的な仕事がトレイルランニングというスポーツにおける音響の仕事になります。もはや趣味。
日光国立公園マウンテンランニングは、ロング・ミドル・ショートにカテゴリーが別れており、日光の山々を走る山岳スポーツです。全て日光東照宮の参道がスタートゴールとなっており、紅葉シーズンのピークに合わせて行われます。もちろん奥日光エリアは紅葉は終わってまもなく雪が降るくらいのエリアになりますが、荘厳な雰囲気の中でスタートする会場の音響演出を担当しています。
この10年トップトレイルランナーとして業界を引っ張ってきた星野由香理選手と、大会を役所の中からサポートし今ではAmetsuchiというアウトドアショップを経営しながらフィッシングガイドとして日光を案内する旦那さんの星野晃弘さん、大会制作のキーマンのお二人の家に前日に泊めていただき、当日運営するのが毎年の流れ。
今年はトレイルランニングブランドAnswer4チームの皆さんと一緒に夜ごはんもいただきました♪
そんな日光はもうナビなしで行けるくらい通っているので、搬入や設営も慣れたものでしたが、今年は例年と違い初めての雨予報なので雨対策も実施したり、それに伴い設営レイアウトも変更するなど、現地で判断することも多かったかなと思います。
では会場の雰囲気を写していきたいと思います。

会場は全部で200m以上にもなるくらいの広さのため(写真の位置から参道手前に100mくらい出店ブースが続きます)、音響をどこに設営するか、端っこのブースにいかに雰囲気を届けるのかが重要なポイント。スタートの演出が終わると比較的観光客が押し寄せてくるので、音響も縮小。つまりスタートまでが大役となります。
スタートは朝6時。
朝4時に集合し、最終的な確認をしていきます。

※会場のレイアウトの関係で青空音響です→スタートが終わると表彰式会場の方に音響を移します
朝6時のロングコースのスタートに合わせて周りがザワザワし始めます。
司会進行を行う栃木のラジオMCの方と打ち合わせを行ったり、挨拶の順番を確認したり、コースディレクターのワイヤレスヘッドセットの使い方を説明したり、一通りの打ち合わせを直前の30分くらいで行います。みんな慣れてる、安心感しかない現場です。



一般の人にとってはなかなか信じられないかもしれませんが、約2万円近くの参加費を払って、40~50キロの山を長い人だと10時間近くかけて完走するんです。それも1500人近くがわざわざ日光まで足を運び、それ以上に走りたい人がもっとたくさんいる。
帰ってくるランナーさんはみんなとってもいい表情をされています。
もちろん走ってる最中は苦しいとかキツいとか感じることもたくさんあると思いますが、ゴールした後はみんなめちゃくちゃ表情が明るいんです。

ただただそこにある山を走るだけなんですが、知らない山域を安全に走れるための準備や、ゴールシーンを盛り上げてくれるMCさん、沿道で声援を送ってくれる地元のボランティアさん、休憩所(エイドって言います)で食料を提供してくれるスタッフ、業界で有名なゲスト選手、そして日光の最高のロケーションが、選手たちにとっての大きな満足を生み出してくれます。


これ、民間の仲間内で制作しているんですよ、行政は許可だけ出してくれるんですが大きな支援は受けておらず、民間でほぼ完結。(行政が許可出してくれるだけめちゃくちゃ優しいけど)
もう地域活性のイベントは民間のマーケターに任せて行政は許可だけ出してくれればいいと本気で思ってしまうほど、数字の計算的にも継続性においてもその他もろもろにおいても思ってしまう素晴らしい企画です。
※ただ、まだまだ修正点はあるようなのでひたすら改善が求められるとは思いますが、その試行錯誤している時間が1番楽しいのではないかと思います。

さて、話が脱線してしまいましたが、今回は音響です。
私も参加者1200人くらい、来場者2000人くらいのマラソン大会の主催者を行なっていました。会場幅は約100m。私はこのくらいの規模のイベントを中規模イベントと呼んでいます。とてもではないけれど大規模ではないし、かといって1人で全て回せるほど簡単な小規模イベントでもない。
このくらいのイベントの音響って実はちょっと大変。
なぜなら普通に売ってるPAセットレベルだと全然音量が足りません。
特に野外のイベントで大切なことは、音楽イベントでない限りは音質よりもアナウンスを届け切ることになります。アナウンスが届かずスタート時間を逃してしまった、なんてクレームは何度も受けました。
普通に売ってるPAセットは配線なども簡単なので誰でもいじれる反面音量が足りない、途中にアンプを挟んだりスピーカーをパラレル接続するなどは多少の知識が必要だけど、それらをわかりやすく貸し出してくれる音響会社ってほぼ皆無。
音響会社の場合だと会場の広さや来場者数、予算に合わせてパーソナルに提案するものなので、この中規模レベルの音響を依頼すると明らかに予算オーバーとなってしまいます。
この中規模音響が必要な野外イベントって、大規模イベントとは違って低予算でアナウンスを届ける必要があるんです。イメージするに大体2000人くらいまで。もちろん出力さえ上げればまだまだ大きな音を出すことはできますが、このくらいの中途半端なイベントの音響をメインに我々は請け負っています。
一般人だと難しいけど専門家だとコストが合わない、そして野外イベントに強いという完全な隙間産業です。
私がなぜこの中途半端な音響サービスを行なっているかというと、私が中規模イベントの主催者時にリアルに困っていたからです。MCさんと喧嘩してしまう音響屋さん、禁煙の会場でタバコを吸う音響屋さん、イベントレンタル会社(ダス〇ンさんとか)だと全然足りない出力の機器、音響会社だと音質にもこだわるので合わない予算、などなど不満ばかりの音響を、どうにか独学でアナウンスを届けることに特化して作ったという形になります。
なので、音質云々の音楽イベントへの貸し出しは行なっていません。
とにかく困っている野外のイベンターさんと、友人知人のみでレンタルが必要な方に低予算で貸し出すことにしています。
ということで今回は日光国立公園の音響を行なってきました。
大好きな日光の会場に毎年呼んでいただけることに感謝し、また別の会場でも呼んでいただけるように努力していきたいと思います。
